東京大学 物性研究所極限コヒーレント光科学研究センター板谷研究室
固体高調波の偏光解析に関する研究がPhys. Rev. Lett.に掲載されました。
固体における高次高調波発生の論文が、Phys. Rev. Lett.に掲載されました。GaSe結晶に、光の電場強度10 MV/cmを越える高強度中赤外光(波長5 um)を入射し、バンドギャップを越える11次までの高次高調波発生を確認しました。高次高調波の偏光解析により、60度の周期構造をもつ結晶構造とは異なる30度の周期変調を見いだしました。この変調を、バンド構造に起因するバンド内電流によって発生するものとして理解できることを示しました。この成果は、固体高調波からバンド構造を再構築する手段の基礎となります。本論文は、東大工・石川研究室、東大生研・芦原研究室との共同研究によるものです。
Keisuke Kaneshima, Yasushi Shinohara, Kengo Takeuchi, Nobuhisa Ishii, Kotaro Imasaka, Tomohiro Kaji, Satoshi Ashihara, Kenichi L. Ishikawa, and Jiro Itatani,"Polarization-Resolved Study of High Harmonics from Bulk Semiconductors", Phys. Rev. Lett. 120, 243904-1-6 (2018).