東京大学 物性研究所極限コヒーレント光科学研究センター板谷研究室

金井輝人氏が文部科学大臣表彰「研究支援賞」を受賞

板谷研究室の金井輝人技術専門員は4月9日、令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰研究支援賞を受賞しました。同賞は、高度で専門的な技術的貢献を通じて研究開発の推進に寄与する活動を行い、顕著な功績があったと認められる個人またはグループに贈られる賞です。表彰式は4月17日、文部科学省3階講堂にて盛山文部科学大臣臨席のもと行われました。

受賞対象となった功績は「短波長域の超短パルスレーザー光源開発への技術的貢献」です。

金井氏は、短波長域のレーザー光源を実現するために、広帯域波長変換技術に基づく可視域および赤外域での高強度超短パルス光源の開発を支援しました。また、中国科学院との共同で狭帯域深紫外光源を開発しました。これらの技術的貢献により、アト秒光パルスの発生と超高速分光応用や、世界最高分解を有する超高分解能レーザー光電子分光が実現しました。これらのレーザー光源開発に関する長年の貢献が評価され、同賞の受賞に至りました。

本業績により、短波長域の超短パルスレーザー光源は物性研究に不可欠の技術となり、物質中のさまざまな電子状態とその変化の様子や光化学反応の素過程を実際に観測し、理解することができるようになりました。また、超高分解能レーザー光電子分光装置に関しては、物性研究所での共同利用体制が確立され、超伝導物質や量子物質の電子状態に関する幅広い知見が得られるようになりました。これらの成果は新物質開発や情報技術やエネルギー技術の進歩につながるものと期待されています。

(写真説明:物性研E棟で作業を行う金井輝人氏,2021年11月撮影)