東京大学 物性研究所極限コヒーレント光科学研究センター板谷研究室
気体プラズマ発光を用いた光電場波形測定実験がOptics Expressに掲載されました。
アト秒科学における目標の一つは、高強度超短光パルスを物質に照射することで誘起される超高速ダイナミクスの理解です。このようなダイナミクスは、照射する光電場の時間波形に非常に敏感であるため、光電場波形を正確かつ簡便に測定できる手法は、同分野にとって重要なツールとなります。しかし、光の振動周期は数フェムト秒(10^(-15)秒)と非常に短いため、このような測定を行うためには様々な工夫や大掛かりな真空装置が必要となることが多いです。本実験では、光パルスを気体中に強く集光したときに発生するプラズマ発光に着目し、電場波形を簡単に測定できる手法を実証しました。
Nariyuki Saito, Nobuhisa Ishii, Teruto Kanai, and Jiro Itatani, "All-optical characterization of the two-dimensional waveform and the Gouy phase of an infrared pulse based on plasma fluorescence of gas", Opt. Express 26 (19), 24591-24601 (2018). [doi: 10.1364/OE.26.024591]